Q1 ストレスや不安が積み重なると、なぜめまいが起こるのですか?
A1

ストレスや不安により、平衡感覚に対して敏感となり、普段感じないようなふらつきを大きく感じるようになります。そのことでさらに不安になり落ち込み、ふらつき・めまいはますます大きくなります。ストレス・不安による悪循環です。うつ病、身体表現性障害、パニック障害、不安障害など、様々な精神疾患を引き起こすことがあり、この場合を狭義の心因性めまいと言います(心因性めまいの分類A:図1)。
また長期ストレスによりホルモンバランスが崩れ、内リンパ水腫(ないりんぱすいしゅ)を引き起こしてメニエール病が発症すると言われております。長期ストレスで脳血流が低下することがあり、そのため、脳からくるめまいを発症して、症状が現れることもあり、広義の心因性めまいと言います(心因性めまいの分類B:図1)。

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Q2 どのような検査をして診断するのですか?
A2

一般的なめまいの検査と心の検査、診察をします。耳、脳、心についての検査(図2)が必要です。心理テスト(表2)は普段気付かない所見がはっきりする場合があり、施行が望まれます。また、精神科ではストレス・不安の原因を探るため、詳しい問診(精神科での予診票:図3)をとります。そして精神疾患の診断をします(めまいに合併する精神疾患:表3)。特にめまいと合併が多い精神疾患は、不安・パニック・気分・身体表現性障害など(図4)です(うつ病の診断基準:図5)。
原因不明のめまいで、不安・気分・神経症性障害などが関与している場合は、狭義の心因性めまい(図1)と診断されます。また、めまい疾患に精神疾患が関与している場合は広義の心因性めまい(図1)と診断されます。例えばメニエール病に不安障害が関連している場合などです。これに加えて、めまい疾患に独立して精神疾患を合併している場合をPsychiatric comorbidity(精神疾患併存)(図1)と言います(心因性めまいの分類C:図1心因性めまいの分類表:表1) 。

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Q3 どのような治療をするのですか?
A3

一般的なめまい疾患の治療と精神疾患の治療を行います(心因性めまいの治療:図6)。不安が強くて日常生活ができない場合には、精神療法や向精神薬(抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬など)の内服が必要です。めまいのリハビリテーションを行う場合もあります。
軽度の精神疾患の場合は、内科、耳鼻咽喉科などのかかりつけ医で治療する場合がありますが、軽快しない場合や中等度・重症の場合は精神科・心療内科の受診をお勧めします。しかし、精神疾患の診断はかかりつけ医では困難な場合がありますので、軽症例でも精神科受診をご検討ください(精神科受診のタイミング:図7)。
めまいは耳、脳、心(図2)など様々な要素が関連しています。お話しだけで良くなることもありますので、まずは気軽にご相談ください。

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