Q1 | 高血圧とめまいにはどのような関係があるのですか? |
A1 | 安静時および運動時において、脳の血液循環は、血液灌流圧(けつえきかんりゅうあつ:脳が正常な機能を営み、維持するための圧)のもとで、自動調節能により一定に保たれています。しかしながら、過度の高血圧が持続したり、血圧が急激に上昇したりすると、この自動調節能の破綻が起こり、脳内の圧力が上昇し、その結果、血液の流れが乱れて循環障害を来します。重症例では脳浮腫(のうふしゅ:脳に水分が異常にたまった状態)を生じます。 |
Q2 | 最近、高血圧のため血圧を下げる薬を飲み始めたのですが、 時々めまいを感じることがあります。 副作用なのでしょうか? |
A2 | 長期間高血圧の状態にあって未治療の人は、脳の血液灌流圧(けつえきかんりゅうあつ:脳が正常な機能を営み、維持するための圧)が正常の人よりも高い水準に保たれていることが知られています。治療により、血圧を急激に正常化すると、高い水準で保たれていた脳の血液灌流圧が低くなるため、それを保とうとする自動調節能が働く結果、血液量が不安定になり、めまいや立ちくらみを自覚することがあります。 |
Q3 | 最近話題のメタボリックシンドロームとめまいには 何か関係があるのですか? |
A3 | 高血圧、糖尿病、肥満、脂質異常症(高脂血症)など、従来成人病として扱われていた疾患は、別個の疾患ではなく、生活習慣病としてひとまとめに考えられるようになってきました。生活習慣病は、特に、内臓に脂肪が蓄積した肥満の「内臓脂肪型肥満」によって引き起こされやすくなることが分かっており、その病態を近年「メタボリックシンドローム」と呼ぶようになりました。このメタボリックシンドロームは、脳血管障害を引き起こす動脈硬化のハイリスク(動脈硬化になりやすい)状態であり、中枢性めまい(脳に起因するめまい)の原因となる可能性があると考えられています。 |