Q1 メニエール病ってどんな病気ですか?
A1 耳の中に「内リンパ水腫」が発生し、回転するめまいや難聴、耳鳴り、耳がつまった感じなどの症状があらわれる病気です。
 

耳の中の内耳(ないじ)にはリンパ液が流れていて、このリンパ液が耳の中で増えすぎると水ぶくれ状態となり、「内リンパ水腫(ないりんぱすいしゅ)」が発生します。内耳には、からだのバランスを保つ部位や音を感じとる部位があり、それぞれがリンパ液でつながっています。このため、内リンパ水腫が発生すると各部位の神経が障害されて、さまざまな症状が現れます(耳の異常が原因のめまい)。一般的にメニエール病は、突然グルグル回っているように感じる回転性の激しいめまいに襲われ、吐き気や嘔吐をともないます。メニエール病とくに初期では、めまい発作と同時に耳がつまったような感じがありますが、めまいがおさまるとともに消えます。これらの症状は繰り返し起こり、その頻度は週1回から年数回とさまざまです。しかし、何度もめまいを繰り返すうちに耳鳴りや難聴をともない、しだいにめまい発作の時以外にも症状が残るようになります。(参考:まんがで読む疾患エピソード(メニエール病)

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Q2 どうしてメニエール病になるのですか?
A2 精神的または肉体的ストレスなどの影響が考えられます。
 

内リンパ水腫が発生する原因についてはまだわかっていませんが、精神的ストレスや肉体的ストレスなどが引き金になっていると考えられています。この病気は、30歳代後半から40歳代前半の働き盛りの時期に発症しやすく、男性よりも女性にやや多い傾向があります。一般的に、仕事や人間関係などで緊張が長く続いていたり、責任感が強い人や働き過ぎの傾向にある人など、強いストレスの中で生活をしている人に多い傾向があります。 したがって、日頃からストレスを溜め込まないように心がけ、めまいが起こらないよう予防しましょう(参考:めまいと上手につきあうために:日常生活で心掛けること)。

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Q3 メニエール病は治る病気ですか?
A3 命に危険をおよぼすような病気ではありません。早期に治療を開始することで病気の進行を防げます。
 

メニエール病は、すぐに命に危険をおよぼすような病気ではありません。早期診断と治療の開始によって、病気の進行を防ぎ、治癒にいたることができます。しかし、めまい発作や難聴の悪化と軽快を繰り返しているうちに、からだのバランスを保つ機能の低下や難聴が進行し、元に戻らなくなることがあります。メニエール病は、症状が悪化すると治療が困難になるため、早期のうちに正確な診断(参考:めまいの検査)、適切な治療を受けることが大事です。
メニエール病の治療は、薬による治療が主となります。一般的には、内リンパ水腫を軽くするために浸透圧利尿薬を用います。また、耳の細胞や神経の活動を改善する目的で、ビタミン剤や循環改善剤なども用います。しかし、薬による治療ではめまい発作を抑えることができず社会生活に支障をきたすような場合や、聴力が段々悪化して行くときなどには、手術が行われる場合もあります(参考:めまいの治療の実際)。

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