Q1 朝起きようとしたらグルグルと回転する様なめまいを感じました。何の病気でしょうか?
A1 「良性発作性頭位めまい症」という病気が考えられます。
 

良性発作性頭位(りょうせいほっさせいとうい)めまい症とは、別名BPPVとも呼ばれます。良性発作性頭位めまい症は、朝、寝床から起き上がるときなどに、頭を動かしたり、頭がある特定の位置に移動したりすると回転性めまいが起こります。この病気によるめまいが持続する時間は数秒〜数十秒で、難聴や耳鳴り、手足のしびれやろれつが回らないなどの神経症状はともないません。良性発作性頭位めまい症と診断されれば、耳鼻咽喉科やめまい治療を専門としている病院で理学療法を受けることができ、治療後、たいていの場合は数日間でめまいが起こらなくなります。しかし、同じような症状でも、まれに命にかかわるような危険なめまい(脳の病気が原因のめまい)が潜んでいる場合もありますので、決して自分で判断したりせず、主治医に相談することが大事です。(参考:まんがで読む疾患エピソード(BPPV)

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Q2 夜間トイレに行こうとしたらめまいがして倒れました。何の病気でしょうか?
A2 脳血管障害が考えられますので、早急に病院を受診して下さい。
 

脳梗塞などの脳血管障害は、動脈硬化の進行にともない起こります。動脈硬化は、内臓肥満を基盤に高血圧、糖尿病、高脂血症が重複しているメタボリックシンドロームと呼ばれる状態で急速に進行することが知られています。また、一般的に高齢者では、体力・運動能力の低下や身体機能の衰えなどから、すでに動脈硬化がある程度進行していることがあります。
特に冬は、布団の中と外に気温差があるため、夜間にトイレに行くと急激に体温が下がり血管が収縮します。その結果、血圧が急上昇するため倒れてしまいます。また、寝る前に水を飲むのを控えると、深夜に脱水状態となり、めまいが起こることがあります。この時に、手足がしびれたり、ろれつが回らない、ものが二重に見えるなどの症状をともなう場合には、脳血管障害などの可能性が高いので、直ちに病院へ向かいましょう。
また、夜間はトイレを暖めておくとか、トイレの帰りには水を飲むなど、このようなことが起こらないよう心がけましょう。(参考:まんがで読む疾患エピソード(脳卒中)

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Q3 片方の耳が「ボーン」とつまった感じがしたり、耳鳴りがした後にめまいが起こります。何の病気でしょうか?
A3 内耳の病気が原因と考えられますので、耳鼻咽喉科やめまい治療を専門としている病院にご相談ください。
 

耳の構造で、めまいに関係する器官(前庭:ぜんてい)と、難聴や耳鳴りなど聴覚に関係する器官(蝸牛:かぎゅう)は隣にあり、これらを内耳(ないじ)と言います。したがって、前庭に異常が起こると連動して蝸牛にも異常が起こったりもします。たとえば、メニエール病突発性難聴外リンパ瘻(ろう)では、めまいとともに難聴や耳鳴り、耳のつまった感じなどの聴覚症状をともなうことがあります。ただし、耳の病気が原因のめまいでも、良性発作性頭位めまい症前庭神経炎など、聴覚症状をともなわないものもあります。また、聴覚症状をともなう場合でも、脳梗塞や脳出血、脳腫瘍など脳の病気が原因のことがありますので、早めに病院を受診し、主治医と十分に相談してください。

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